シリーズ偉人たち

電気の歴史は古代ギリシャの賢人から始まった

タレース 紀元前624年頃~546年頃

琥珀をこすって電気を発見した万能学者

 今から約2600年前、古代ギリシアの植民都市ミレトス(現在のトルコの一部)に、タレース(またはタレス)という賢人がいました。彼は、影の長さからピラミッドの高さを割り出した技師であり、日蝕を予告した天文学者であり、直角三角形を円に内接させた幾何学者であり、万物の元は水であると説いた哲学者でもありました。その万能ぶりは当時の七賢人の筆頭格として尊敬されました。そんなタレースが、ある時、装飾品として使われていた琥珀を布でこすると、糸くずなどの軽いものが吸い寄せられることを発見しました。これが人類が初めて「電気」を発見した瞬間といわれています。しかし、当時は「電気」や「静電気」の概念はなく、この万能学者は、琥珀を布でこすると磁気が発生して琥珀が磁石に変わると考えました。雷の発生も神様の仕業と考えられていた時代ですから無理もありません。しかし、驚くべきは、この現象が2000年以上も科学の研究対象にならなかったことです。そして、17世紀になって、ようやく「静電気」という概念が生まれ、磁気と電気は違うことが解明されていきました。

一覧へ

C-pressのお申し込み
無料でご自宅までお届けします

エネルギー、原子力、放射線のタイムリーな
話題をメインテーマとしたPR誌。年3回発行。

詳しくはこちら