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#132 What's up 2025年10月31日更新

そこが知りたい、エネルギーのいま

中部電力 浜岡原子力発電所で進む 国内初 商業用軽水炉の廃止措置

現在は第3段階の原子炉領域を解体中

浜岡原子力発電所では、2009年1月に運転を終了した1号機と2号機の廃止措置が進められています。国の認可を受けた4段階の廃止措置計画に沿って、2009年から解体を進め、建屋の解体撤去まで含めた廃炉の完了は2042年度を予定しています。2024年には第3段階へ移行し、国内の商業用軽水炉では初の原子炉領域の解体に着手しています。

日本では、これまでに旧日本原子力研究所・動力試験炉が廃止措置の全工程を完了したほか、全国の廃止措置を決めた発電所でも解体作業などが進められています。

また、海外では米国・ドイツなどで豊富な廃止措置の実績があり、安全に廃止措置が完了しています。

原子炉圧力容器上蓋の解体
原子炉領域である原子炉圧力容器上蓋の解体では、青色の大型バンドソー(切断機械)の刃が降下して、圧力容器上蓋を縦に切断していく。

◆廃止措置計画スケジュール

廃止措置で発生する廃棄物は?

廃止措置の手順は、まず原子炉から使用済み燃料を取り出して施設外に搬出し、配管や容器に付着した放射性物質を化学薬品などで除染します。また、原子炉圧力容器などの放射能レベルが比較的高い部分は5~10年程度、放射能レベルが減衰するまで安全に管理します。その間、建屋内部の機器・配管などの周辺設備を解体撤去していきます。浜岡原子力発電所1・2号機は、これらの作業を進めており、現在は第3段階の原子炉領域の解体を進めています。

作業に伴い1・2号機合わせて約45万トンの解体撤去物が発生し、放射能汚染の有無や放射能レベルに応じて「放射性廃棄物ではない廃棄物」、「放射性物質として取り扱う必要のないもの(クリアランス物)」、「低レベル放射性廃棄物」に分類されます。解体撤去物はできる限りリサイクルされ、放射性廃棄物は処分先が決まるまで1・2号機の建屋内などに安全に保管します。

◆廃棄物は放射能レベルに応じて区分し、適切に処理・処分

廃棄物は適切に処理・処分
出典:一般社団法人 日本原子力文化財団

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