放射線と医療
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ガンマナイフ治療エックス線一般撮影乳房撮影血管撮影エックス線CTエックス線治療陽子線治療重粒子線治療中性子線治療放射性同位シンチグラフィ元素治療診断SPECT診断PET診断インビトロ検査放射線照射利用治療寝台でヘルメットを装着後、照射位置に移動する様子を示す模式図頭部専用(定位)放射線手術装置(ガンマナイフ)写真提供:エレクタ(株)コリメータによりガンマ線が色々な方向から病巣に照射される様子コバルト線源シールド照射チャンネルコリメータヘルメット固定ビームコリメータヘルメット治療中の位置コリメータヘルメット治療前の位置治療寝台ヘルメットコバルト線源ガンマ線病巣ガンマナイフとは? ガンマナイフは、放射性同位元素から放出されるガンマ線を見えないメス(ナイフ)のように使用して治療することから命名されています。コバルト−60とは? コバルト−60は放射性同位元素の一種で高いエネルギーのガンマ線を放出するので、様々な分野で利用されています。欠点は約5年で放射線の量が半分に減ることです。ガンマ(γ)線とは? ガンマ(γ)線はエックス(X)線や光と同じ仲間で、一般的にはエネルギーが高く物質をよく通り抜ける性質を持っています。これに対し、粒子の仲間であるアルファ線、ベータ線は、電荷を持っているため、ガンマ線、エックス線に比べて物質中で止まりやすい性質があります。 ガンマナイフは、脳腫瘍や脳血管奇形などの治療を開頭せずに行う装置でスウェーデン製の頭部専用(定位)放射線手術装置です。リニアックとは異なり、コバルトー60と呼ばれる放射性同位元素(RI)から放出される高エネルギーガンマ(γ)線を使用します。右の写真のような新しい装置では、コンピュータ制御で頭の位置を決め脳内の腫瘍に集中的に照射治療します。開頭手術は患者の負担が大きく手術が困難な場合があり、また基本的に手術不能な場合もありますが、この方法は非常に有用です。ガンマナイフでは、約200個のコバルトー60線源からのガンマ線を、コリメータ(P.8参照)により腫瘍に対して集中的に照射します。腫瘍の周囲の組織はそれぞれ1方向からのみ照射されるので、正常組織の照射量を最小限にとどめることができます。ガンマナイフ治療

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