放射線と医療
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エックス線治療一般撮影エックス線乳房撮影血管撮影エックス線CTガンマナイフ治療陽子線治療重粒子線治療中性子線治療元素治療シンチグラフィ診断放射性同位SPECT診断PET診断インビトロ検査放射線照射利用● ほとんど無痛● 特別な入院不要● 切開手術不要肺がん部へのエックス線照射の様子左図のように多方向から肺がん部にエックス線照射を行うことにより、右図のように中央のがん組織が多く(数値が大きい)照射されます。強度変調放射線治療(IMRT)装置強弱をつけた不均一のエックス線ビームを多方向から腫瘍形状に合うように足しあわせて照射します。装置名:トモセラピー  写真提供:日本アキュレイ(株)イメージガイド放射線治療(IGRT)装置CT装置と一体化していて、撮影と治療が同じ装置で行えるので患者を動かす必要がありません。装置名:シナジー  写真提供:エレクタ(株)エックス線治療の特徴リニアックとは? リニアックとはリニア・アクセラレータ(直線加速器)の短縮語で、医療では放射線治療装置を意味し、小型で高いエネルギーの電子線・エックス線が得られます。ベータトロンやマイクロトロンなどの円形加速器もありますが、現在では使われていません。 がん(悪性腫瘍)など、腫瘍の放射線治療はリニアックと呼ばれる電子加速器で電子を加速し、ターゲットと呼ばれる高原子番号の物質(例えば、金、白金など)に照射することにより発生するエックス線を利用しています。  高エネルギーエックス線は人体を透過する能力が高く体内へ深く入ります。しかし、体の表面ほどエックス線を強く吸収し、腫瘍がある部分では弱くなり、正常な組織を傷めやすくなります。 また、強弱をつけたエックス線を多方向から照射し、腫瘍形状に一致した線量分布を得る強度変調放射線治療(IMRT)が可能な装置(トモセラピーなど)や腫瘍の正確な位置を確認しながら放射線治療(IGRT)を行う装置(シナジーなど)も普及しています。 そのためコンピュータ制御により色々な方向から照射し、腫瘍部分はそれらの重ね合わせになるようにして、正常組織より腫瘍部分に多く照射しています。1ページに示した写真はサイバーナイフと呼ばれる新しい治療装置で、多方向から正確に腫瘍を照射できます。エックス線治療

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