放射線と医療
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放射線照射利用エックス線一般撮影乳房撮影血管撮影エックス線CTエックス線治療ガンマナイフ治療陽子線治療重粒子線治療中性子線治療放射性同位シンチグラフィ元素治療診断SPECT診断PET診断インビトロ検査● 煮沸消毒すると変質する材料に利用可能● 物質を透過するため梱包状態で処理可能● 常温で滅菌可能● 滅菌処理後の残留物の心配不要● 短い滅菌処理時間輸血製剤中の血液成分への放射線照射効果リンパ球だけが損傷を受け、赤血球、血小板はほとんど損傷を受けません。医療用具衛生材料の滅菌検査用器具の滅菌放射線滅菌の適用例 包装されていても滅菌が可能です。放射線照射リンパ球血小板リンパ球血小板赤血球赤血球放射線滅菌の特徴輸血後GVHDとは? 輸血後GVHD(輸血後移植片対宿主病)は、輸血後血液の細胞(移植片)が患者(宿主)の細胞を異物として攻撃・破壊する病気です。この原因は輸血された血液に含まれる白血球の1つであるリンパ球が患者組織中で生着、増殖し、細胞障害を起こすためと考えられています。 私たちの身体に直接触れ、さらに体内に入る医療用具は衛生的であることが重要です。そこで放射線(ガンマ線や電子線)の殺菌作用を利用して、医療用具の殺菌・滅菌が広く行われています。 現在医療用具の産業滅菌では主に「放射線滅菌法」、「高圧蒸気滅菌法」および「酸化エチレンガス滅菌法」が用いられています。なかでも放射線滅菌法は生産金額の割合で見ると7割を越えていて、注射器、注射針、手術用具、カテーテル、人工関節、透析用具など非常に多くの品目に利用されています。放射線滅菌輸血製剤 輸血療法は血液中の赤血球や凝固因子などのいろいろな成分の機能や量が不足した際に、その成分を補充することを主な目的として行われています。 最近では輸血後の副作用の一つであるGVHDを防ぐために輸血する血液を放射線照射することが多くなってきています。輸血後GVHDが一度発症すると95%以上死亡するといわれていて、これを防ぐには輸血用血液に放射線を照射し、リンパ球の増殖能力を壊してから輸血することが最も有効とされています。放射線照射利用

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