放射線と医療
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診断シンチグラフィSPECT診断一般撮影エックス線乳房撮影血管撮影エックス線CTエックス線治療ガンマナイフ治療陽子線治療重粒子線治療中性子線治療元素治療放射性同位PET診断インビトロ検査放射線照射利用SPECT装置概観と測定原理RIを注射後一定時間を置きますと、放射性医薬品はある特定の臓器、またはがんや炎症を起こしているところに集積します。写真提供:日本メジフィジックス(株)アルツハイマー病の脳血流SPECT検査画像赤から青になるに従って血流が低下することを示しています。アルツハイマー病に特徴的な血流低下を示す部位が明瞭で、早期の診断、他の疾患との鑑別に有用です。全身の骨のRIイメージ図は、前方(左側)からと後方(右側)からの画像を示しています。写真提供:大阪労災病院矢印はアルツハイマー病による脳血流の低下部ガンマカメラ検出器コリメータガンマ線計測RIを投与画像 放射性同位元素(RI)で標識した放射性医薬品を検査したい人に投与すると、それが取り込まれた臓器や組織から放射線(主にガンマ線)がでてきます。診断等のために、その放射線が当たると光を発するシンチレータで検出してRIイメージを作る装置がシンチスキャナあるいはRIイメージ装置です。RIイメージはRI画像またシンチグラムともいいます。シンチグラフィとは、このRIイメージを得る方法で、核医学検査の一つです。  近年、放射線に関する技術やコンピュータ画像のデジタル化、また画像処理能力の高速化などが著しく進み、それと共にシンチグラフィも進化しました。次に述べるSPECTやPETは、今や欠かすことのできない診断技術となっています。シンチグラフィの一例として、右図に、骨がんや炎症などの検査に役立っている全身の骨のRIイメージを示します。     単一光子放出型計算機断層撮影法(SPECT)は、体内に投与されたRIから放出されるガンマ線を体外の種々の方向で計測し、コンピュータにより体内断面のRI分布画像を描く技術です。  右図に示されるように、ガンマ線が飛んでくる方向を限定するコリメータと大きな面積で高い検出効率を持つガンマ線検出器から構成されるガンマカメラを、診断する対象に対して180°または360°回転し、一定角度ごとにデータを収集した後、その投影データをもとに、コンピュータによって画像が作られます。 SPECT用のRIには、人体への影響が小さく、測定しやすいガンマ線を放出するテクネチウムー99m、ガリウムー67、タリウムー201などが用いられます。例えば、右下図のように、脳血流の様子を3次元的に断層撮影することで、脳梗塞、脳腫瘍、認知症などの病気を的確に診断することができます。シンチグラフィ診断SPECT診断

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