放射線と医療
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放射性同位元素治療エックス線一般撮影乳房撮影血管撮影エックス線CTエックス線治療ガンマナイフ治療陽子線治療重粒子線治療中性子線治療シンチグラフィ診断SPECT診断PET診断インビトロ検査放射線照射利用小線源を管腔内へ挿入(子宮がんなど)小線源をがん内に直接刺入(舌がんなど)皮膚面がん小線源腔内照射法組織内照射法がん小線源RALSとは? RALSを用いる方法は、遠隔操作式後充填装置の日本語名称が示すように、医療者の被ばくを減少しながら線源の位置を正確に決め、かつ強い線源による治療が行えるなどの利点があります。 体内の特定臓器に蓄積する放射性同位元素(RI)を内服して治療を行う内服療法があります。代表的な例は、甲状腺がんに対してヨウ素−131を内服し、肺やリンパ節などに甲状腺から転移してできたがんに取り込ませて、がんの中から放出されるベータ線によって治療する方法です。また近年 アルファ線が放出されるRI(ラジウム−223など)を用いる方法についても研究が進んでいます。 一方、少量のRIを小型の容器(カプセル)に密封した密封小線源を体内の患部のごく近くに挿入して治療する方法もあります。治療上、針、ワイヤ、RALS(後述)用などに加工したものなど様々な線源が利用されています。放射線としては、主にガンマ線などが使われます。体内に挿入または刺入した線源でがん部分を照射する方法として、右のイラストで示したように、腔内照射法と組織内照射法があります。 組織内照射法は、さらにリモートアフターローディング装置(RALS)を用いる方法と永久刺入法とに分れます。たとえばRALS法では、左下図に示すようにがん部分に中空の管を挿入した後に放射線源を機械で自動的に挿入し一定時間後に取り出します。また前立腺がん治療で用いられる永久刺入法では、半減期が約60日のシード状小線源を体内に入れ、そのまま放置します。どちらの方法も、密封小線源の特長を活かして、治療対象である「がん」などのすぐ近くに線源を置くことによって、照射対象にはより多くの放射線があたり、他の組織には放射線のあたる量が少なくなるように工夫して用いられます。現在では、治療の目的と用途によりイリジウム―192、金―198など多くの人工線源が開発されています。RALSによる照射方法組織内照射の2方法皮膚の内側にあるがんに小線源(黄色い部分)を差し込んで治療しているイメージのイラストです。腔内照射法と組織内照射法がんに放射線が当るところをイメージしたイラストです。赤い部分ががん、黄色がRIとそこから出る放射線を表しています。RALS法鼻から小線源を差し込んでいる様子を示しています。写真提供:(株)千代田テクノル永久刺入法放射性同位元素治療

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