快適な生活、楽しい暮らしにも放射線はひと役かっています。 ジャガイモを長い間しまっておいたら芽が出てしまった。こんな経験はありませんか?ジャガイモの芽にはソラニンという有害物質が含まれ、発芽すると品質や商品価値が低下するので長い間の保存ができませんでした。しかし、放射線を照射すると発芽が抑制され、これによって長い間保存することができるようになりました。これは日本が世界に先駆けて食品に放射線を利用した例です。 日本では、食品への放射線照射はジャガイモのみですが、欧米など世界30カ国以上では、日持ちを良くしたり滅菌のために肉製品、香辛料、果物などに放射線照射が行なわれています。 もちろん放射線照射後の食品に放射線が残ることはありません。 なお、食品に直接照射する以外にも食品包装容器の放射線による滅菌などが日本でも実用化されています。 ウリなどを食い荒らす害虫であるウリミバエは、放射線による繁殖防止処置により沖縄諸島から根絶されました。また、現在サツマイモなどを食い荒らすゾウムシも同じ方法で駆除しようとしています。 自然界では宇宙線などの影響で突然変異により新種ができることがありますが、植物に人工的に放射線照射し、突然変異を効率良く起こさせる方法があります。これを「放射線育種」といいます。きれいな色の菊、倒れにくい稲、病気に強い梨など、たくさんの植物がこの方法で品種改良されました。放射線照射品(左)と非照射品(右)写真提供:日本原子力研究開発機構放射線で品種改良された菊写真提供:日本原子力研究開発機構瓜などの害虫ウリミバエ写真提供:日本原子力研究開発機構衛生的で長持ちするおいしい食料品、生活を彩る美しい花々、団らんの中 放射線は私たちの日常生活の潤いをも支えています。食物にも放射線が貢献害虫駆除にも花や果物の品種改良
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